三線の保管方法・お手入れ方法
こんにちは。米須三線店です。
秋から冬にかけて、「本蛇皮三線」のある症状についてお問い合わせが多くなってきます。
その症状とは、「蛇皮の鱗がささくれのようになる」「鱗の横が白くなる」「皮が裂けてしまった」などです。
沖縄三線本来の素晴らしい音色を響かせてくれる本蛇皮三線ですが、本物の蛇皮一枚をピーンと張った仕様の為、寿命が来たらどうしても上記のような症状が出てしまいます。
それでもやはり、出来るだけ長くいい状態を保ちたいですよね。ご安心下さい!
事前に対策していれば、皮の寿命を延ばし、綺麗な状態を保つことが可能です。
今回は、本蛇皮三線の寿命を延ばす保管方法とお手入れ方法をご紹介致します。
本記事で紹介している「適切な方法で三線を保管しよう」「②弾き終わりにはウロコを整えましょう」は、「強化張り三線」でも行って頂いた方が良いです。
強化張り三線は、皮が裂けることは基本的にありませんが、本物の蛇皮を使用しているため、皮のささくれや艶感の減少は、経年劣化でどうしても出てきてしまいます。
皮のささくれを無くしたり、皮の艶感を保つためにも、本記事で紹介している内容を行って頂くことを当店では推奨しています。
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■目次
三線の保管方法・お手入れ方法
蛇皮が白くなったり、裂けてしまう原因とは?
繰り返しにはなりますが、秋から冬にかけて本蛇皮三線は以下のような症状が出やすいです。
- 蛇皮の鱗がささくれのようになる
- 鱗の横が白くなる
- 皮が裂けてしまった
いずれの症状も原因は「皮の乾燥」です。
沖縄にお住いの場合は適度な湿度がありますので、皮が乾燥することはなく、ほとんどお手入れの必要はありません。
しかし、本州の場合は沖縄と気候が異なり、空気の乾燥や気温差などにより皮が乾燥しやすい状況下となり、ダメージを受けやすいんです。
ですが、原因が分かれば対策も立てられます。
次に、適切な保管方法(対策)について解説していきます。
適切な方法で三線を保管しよう
三線を適切な方法で保管すれば、皮の寿命を延ばし、より長く三線の良い音色、状態を保つことができます。
以下のように、保管方法を心がけましょう。
①三線を保管している部屋に加湿器を置く
部屋に加湿器を置いて加湿させると、皮の乾燥も防ぐことができます。
②三線を直射日光が当たらないところに置く
三線を直射日光が当たるところに置くと、皮に日が当たることで皮が痛みやすくなります。
人間の日焼けみたいなものですね。
③エアコンや扇風機などの直風を避ける
三線の皮が乾燥してしまうため、直風もなるべく避けるべきです。
この3つを意識して頂くだけで、本蛇皮の持ちがグーンとアップしますので、是非お試し下さい。
注意点としては、乾燥だけではなく「極端な湿気・乾燥(湿度差)」のある場所も避ける事です。
※沖縄にお住まいの方も上記は気をつけましょう。
とっても簡単で、無料で出来る三線のお手入れ方法
本蛇皮を長持ちさせるためには、普段のお手入れも大事です。
といっても、全然難しくありませんので、お気軽にお試し下さい!
①三線を出来るだけ毎日弾いて、ケースにしまいっぱなしは避けよう!
本蛇皮の柔軟性は日々の演奏の際の「振動」により保たれております。
その為、長期間ケースの中で振動も無く動かずにいると、どんどん皮が乾燥し硬直してしまうのです。
皮の乾燥は「裂け」の大きな原因ですので、出来るだけ頻繁に三線を弾いて頂く事が一番のメンテナンスなのです。
②弾き終わりにはウロコを整えましょう
演奏した後は、柔らかいクロスで三線全体を拭いてあげましょう。
そして、最後に手の脂(ティーアンダー)をつけるようなイメージで、ウロコの流れに沿って、ウロコを整えながら撫でていきます。
そうすることで、皮に手の脂が付いて乾燥を防ぎ、皮を保湿することが出来るのです。
ヘビ油などの特別な用品もありますが、付けすぎると皮の張りを弱めてしまう恐れがある等、取り扱いが難しい為、当店ではあまりオススメしておりません。
ティーアンダーだけで十分な保湿です。
ティーアンダーは直訳すると手の脂ですが、沖縄では「手の脂が染み込むほどに愛情を込める」という意味がありますよ♪
これからの季節、ますます乾燥してきますので、この記事を頭の片隅に置いて、三線に優しい環境作りを心掛けて頂けますと嬉しいです!
もし既に皮が裂けそう、または裂けてしまったというお客様がいらっしゃいましたら、皮の張替えも承っておりますので、是非一度メールやLINE、電話でお気軽にご相談下さい。
詳しくは三線の修理メンテナンスも併せて御覧くださいませ。